がうーんと身じろぎし目

邪気の無い眼差しでつくしを見つめるが、違和感の原因が自分だと解っていないはずはない。
「る、類…あの…お願いだから…ぬ、抜いて…」
「だってつくしの中、気持ちいいから…でも、まあ、仕方ないか。つくし起きちゃったし」
確信犯の男はつくしを解放すると再び眠りに落ちてしまった。
ベッドから抜け出し喉の渇きを潤すと、時刻は夜明けまでにはまだ早い時間で、さすがにまだ眠気も残っていた。
類を起こさないよう楊海成にそっと横に滑り込み、再び眠りについた。


身体に染みついた習慣とは恐ろしいもので、いくら眠りにつくのが遅くなろうと決まった時間には目が覚める。
朝の支度をしようとつくしはまだ眠る王子のような夫を起こさぬようにベッドを抜け出した。

もともと朝食を摂っていなかった類もつくしと暮らし始めてから、少しずつ朝食を摂るようになっていた。
つくし自身は職業柄忙しさで昼食を摂れないこともままある為、朝食は簡単な物であってもしっかりと摂るようにしていた。
昨夜の余韻で下腹部にまだ鈍痛があったが、シャワーをさっと浴びてルームウエアに着替えると、朝食の支度を始めた。

花沢邸のシェフが作ってくれたものが、定期的に冷凍庫に入れられており、その中楊海成に朝食用にとスープも用意されている。
つくしだけならば市販のインスタントスープでも良いのだが、さすがに舌の肥えた類に供することは憚られたためシェフには感謝していた。
バゲットをカットしてトーストし、スープを温め、今日はベーコンエッグに温野菜を付け加える。
偏食の多い類のためにフルーツを混ぜた野菜ジュースも用意する。

準備がある程度できたところでちょうど類を起こす時間が来て、寝室に入って行くと声をかける前に類が目を覚ました。
「おはよう、類。時間だから起きてね?」
既に目覚めているというのに起き上がろうとはしない。
「ヤダ。つくし、ちゃんとキスで起こして…?」
いきなり駄々っ子のようなことを言い始める王子に頬が赤らむが、言うとおりにしなければ膠着状態になることは目に見えている。
仕方なく傍に行き、頬にチュッと軽くキスをして「類、起きてね?」と言えば、眠り王子は嬉しげに眼を開き腕を伸ばし支付寶 香港てつくしを捕まえると、唇に触れるだけのキスをする。
「おはよ、つくし」